3時ごろにそろそろ雪が降ってきて

3時ごろにそろそろ雪が降ってきて、小屋に着いて中に入ると暗くて、土間のところに小屋の人らしきひとが現れて何か、いらっしゃいませ、的な言葉を待っていたら何もないままお互いに5秒くらい気持ちわるい沈黙がつづいたので、たえられずに宿泊したいのですが、ときりだすと、ようやく、はい、と答えてくれた。小屋はすごく暗かったのでそのときはよくわからなかったけど、体が細くて目も細くて若い人で存在感のないことによって逆にうしろ姿から存在感がきわだってくる種類の人だとすぐに判断した。後から同宿の人にきいたら、年間200日くらいこの小屋の中で生活しているらしく、だからといって山の中で生活している喜びや苦しみや、それらによって身につきそうなたくましさ、みたいなものが何も伝わってこないところがすごい。自炊小屋だからということもあるからだけど、その人はドアの向こうに入ったきりずっとこもったままなので、そのドア自体がまた異様な存在感を帯びてくる。同宿の人とストーブにあたっていてそろそろ寝ようかという空気になったあたりで、ドアがあいて小屋の人がでてきてひとつ小さななべをストーブの上においた。同宿の人が、これから食事ですか、とたずねると、はい、といってまた部屋に引き返してしまう。なべには蓋がしてあってあの人は何をたべるんだろう、とかなり興味をそそられた。なんとなく茶色くて黒っぽいどろっとしたスープ状のものが入っていそうだなと思ったが、とくに匂いもなくヒントはなく、けっきょく蓋は開けずにそのまま布団に入った。よく朝5時すぎに起きて朝食べて荷造りして6時には小屋を発ったけど小屋の人は全くでてこなかった。

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